【改修工事の施工管理とは?】②施工管理の工程管理完全ガイド

第1回は施工管理における安全管理についてお話ししました。今回は工程管理についての記事になります。
- 施工管理の工程管理とは何か – 基本的な定義と重要性
- 外装改修工事における効率的な工程管理の実務手法
- 商業施設のリニューアル工程計画と外装工事の最適化
- マンション外装改修でのバルコニー解放を重視した工程組み
- 天候・作業員数・オープンタイム考慮の実践的スケジューリング
- 工区分割による大規模外装工事の効率的管理手法
- デジタルツールを活用した工程管理の最新手法
3週間の遅延から学んだこと
あれは私が施工管理の仕事を始めて2年目の梅雨時期、築25年のマンション外壁改修工事でのことでした。
工事開始から2週間目、毎日のように雨が降り続きました。
「明日は晴れるから」と思いながら、1週間が過ぎ、2週間が過ぎ。
気づけば、工程表とは3週間もズレていました。
管理組合の理事長さんから電話がかかってきました。
「当初の予定では、もうバルコニーが使えるようになっているはずですよね?まだ足場が外れないんですか?」
声には明らかに不満が込められていました。
慌てて工程表を見直すと、確かに予定では既にバルコニー工事が完了しているはず。
でも、天候を甘く見て予備日を十分に取っていなかった。
梅雨時期なのに、晴れの日を前提に工程を組んでいたんです。
急遽、作業員を増員して土曜日も作業を行うことに。
追加費用は会社持ちになりました。
最終的にはなんとか遅れを取り戻しましたが、この経験は今でも忘れられません。
それ以降、私は工程表を作る時、必ず天候リスクを考慮するようになりました。
気象庁の過去データを調べて、その時期の降雨日数の平均を確認。
予備日を多めに設定して、余裕を持った工程を組むように心がけています。
本記事では、私が6年間の現場経験で学んだ、外装改修工事の工程管理について、すべてお伝えします。
施工管理における工程管理とは?外装改修での重要性
施工管理とは、建設工事の現場技術者を指揮監督し、工事全体を管理すること。
その中でも工程管理は、建設工事の進行を計画どおりに進めるための管理活動で、施工管理の4大業務の中核を成しています。
工程管理では、詳細な工程表を作成します。
各作業の開始日と終了日、所要時間、依存関係などを含むスケジュールを策定するんです。
そして、工程表にもとづいて、資材や労働力の手配、機材の準備などを計画。
プロジェクトの進行中には、実際の進捗状況を常に監視します。
工程管理は他の管理業務と密接に関連しているため、総合的な管理が欠かせません。
安全管理では、安全を確保した上での工程計画を策定します。
外装改修では、居住者・利用者の安全配慮による工程制約が発生します。
工程管理は、スケジュール管理と進捗調整の中核業務。
天候に大きく左右される外装工事特有の課題があります。
品質管理では、品質確保に必要な時間を工程に織り込みます。
既存建物との取り合い部分は、慎重な施工が求められます。
原価管理では、効率的な工程による経費削減を目指します。
工期短縮により、仮設費・管理費の最適化が可能です。
外装改修工事における工程管理は、施工管理業務の中でも特に複雑で大事な要素。
私は改修工事の施工管理を6年以上経験し、特に商業施設やマンションの外装工事を数多く手がけてきました。
外装工事は天候に大きく左右されます。
内装工事以上に綿密な工程計画と柔軟な対応力が求められるんです。
また、足場の組立・解体という大きな節目があって、この期間内でいかに効率的に作業を完了させるかが工事成功の鍵。
私が担当した案件で印象に残っているのは、築30年のマンション(120戸)の大規模修繕工事。
当初予定より2週間早く工事を完了し、居住者の方々に大変喜ばれました。
工程管理を徹底したおかげで、バルコニーの使用制限期間を最小限に抑えられたんです。
外装改修工事の工程管理の特殊性
外装工事の工程管理は、内装工事と比べて多くの制約条件があります。
国土交通省の建設工事統計によると、外装工事は気象条件により工期が平均15-20%変動する。
これが工程管理を難しくする主要因です。
天候の影響は本当に大きい。
雨・風・気温、これらは自分ではコントロールできません。
影響度は非常に高く、対応の難易度も最高レベル。
10-30日の遅延が発生する可能性があります。
足場組立・解体期間も工程に大きく影響します。
足場がないと外装工事は始まらないし、足場がある間に全ての作業を終わらせないといけない。
作業効率に直結するポイントです。
近隣への配慮も無視できません。
影響度は高く、対応の難易度も高い。
作業時間が制限されるため、工程に影響が出ます。
「うるさいから朝早くはやめてくれ」「夜遅くまで作業しないでほしい」といった要望に応えながら、工程を守るのは本当に大変です。
材料の搬入制限も考慮が必要。
影響度は中程度ですが、段取りによる効率化で改善できます。
専門工の確保も課題の一つ。
技能者不足による遅延が発生することもあります。
商業施設外装リニューアルの工程管理実務
商業施設の外装リニューアル工事では、リニューアルオープン日が決まっているケースが多い。
この絶対的な期限に向けて、逆算で工程を組む必要があります。
私が最近担当したショッピングセンターの外装リニューアル事例を基にお話しします。
商業施設の外装工事では、営業への影響を最小限に抑えながら効率的に作業を進める。
これが最優先です。
準備工事は、足場組立・養生設置・既存撤去を行います。
標準期間は5-7日で、日中作業が可能。
ただし、お客様導線に絡む部分は営業開始前の完了が必須です。
ここで遅れると、その後の工程すべてに影響が出るので、絶対に遅らせられません。
下地処理は、高圧洗浄・ケレン・補修を実施。
標準期間は7-10日で、作業時間には制限があります。
汚水・騒音対策が本当に大事。
以前、高圧洗浄の汚水が店舗の入り口に流れ込んで、大クレームになったことがあります。
下塗り工程は、下地調整材塗布・プライマーを行います。
標準期間は3-5日。
夜間推奨で、日中の場合は一部制限があります。
養生の徹底と臭気対策が欠かせません。
塗料の臭いが店内に入ると、すぐに苦情が来ます。
中塗り・上塗りは、仕上げ塗装を2-3回塗り。
標準期間は5-8日。
これも夜間推奨で、日中の場合は一部制限があります。
養生の徹底と臭気対策は、下塗り以上に気を使います。
仕上げ・清掃は、タッチアップ・足場解体・清掃を実施。
標準期間は3-4日。
お客様導線に絡む部分は、営業開始前の完了が必須です。
オープン前の最終確認が本当に緊張します。
リニューアルオープン日からの逆算工程計画
商業施設では、広告宣伝の関係でリニューアルオープン日の変更が困難。
確実に間に合わせる工程計画が欠かせません。
まず、オープン日を確定します。
これが絶対的な完成期限です。
次に、バッファー期間を設定。
予備日として7-14日を確保します。
これがないと、少しの遅れで大パニックになります。
検査・修正期間は、品質確認と手直し用に3-5日。
各工程の所要日数は、過去実績を基にした現実的な日数で算出します。
天候リスクも考慮して、季節に応じた予備日を上積みします。
外装工事における作業時間の最適化
商業施設では営業時間との調整が本当に大事。
作業内容に応じて、時間帯を使い分けています。
日中作業(9:00-17:00)では、足場組立・材料搬入・下地処理(騒音少)を行います。
夜間作業(22:00-6:00)では、臭気を伴う作業やお客様動線に絡む作業を実施。
早朝作業(6:00-9:00)では、お客様動線に絡む作業を行います。
休業日作業では、騒音・臭気の大きい作業を集中実施します。
夜間作業には課題もあります。
照明不足により、作業効率が20-30%下がる。
夜勤手当により、人件費が30-50%増える。
夜間対応可能な職人が限定的なので、技能者確保が困難。
視認性低下により、品質チェックの強化が必要です。
マンション外装改修における居住者配慮型工程管理
マンションの外装改修工事では、居住者の生活への影響を最小限に抑えることが最優先。
特にバルコニーの使用制限は日常生活に直結するため、工程計画の重要なポイントです。
バルコニー解放を重視した工程計画
マンション改修工事の基本は、バルコニーの早期解放を最優先に工程を組むこと。
築25年、80戸のマンションでの実例をお話しします。
足場組立の段階では、バルコニーは使用不可。
期間は3日間で、洗濯物干し場がありません。
このため、共用部に臨時干し場を設置します。
「洗濯物をどこに干せばいいんだ」という苦情が必ず来るので、事前の準備が欠かせません。
防水工事の段階では、完全立入禁止。
期間は5日間/階で、避難経路が制限されます。
代替避難経路を説明する必要があります。
「火事になったらどうするんだ」という質問には、必ず答えられるように準備しておきます。
塗装工事の段階では、制限付きで使用可能に。
期間は3日間/階で、洗濯物取込みに注意が必要。
作業時間を事前に通知します。
「洗濯物に塗料がついた」というトラブルを避けるため、作業前に必ず声をかけています。
仕上げ工事の段階では、通常使用が可能に。
期間は1日間/階で、軽微な制限のみ。
特別な対応は不要です。
この工程により、各住戸のバルコニー使用不可期間を従来の60日間から20日間に短縮できました。
居住者の方々からは「思ったより早くバルコニーが使えるようになって助かった」と喜んでいただけました。
階別・工区別工程管理の実践
大規模マンションでは、建物を複数の工区に分けて段階的に工事を進めます。
居住者への影響を分散させるためです。
工区分割のメリットは大きい。
影響の局所化で、全体への同時影響を回避できます。
品質の安定化で、小規模単位での品質管理が向上。
工程の柔軟性で、天候等による遅延の影響を最小化できます。
クレーム対応では、問題発生時の影響範囲を限定できます。
天候・作業員数・オープンタイムを考慮した実践的工程計画
外装工事の工程管理では、理論的な計画だけでなく、現実的な制約要因を考慮した実践的なアプローチが欠かせません。
天候予測と代替工程の準備
外装工事では天候の影響を受けない工程は皆無といってよく、常に代替案を準備しておく必要があります。
降雨の場合、塗装・シーリング・洗浄は不可。
降水量1mm/h以上が判断基準です。
この時は、材料準備や足場内作業に切り替えます。
強風の場合、高所作業全般が不可。
風速10m/s以上が判断基準です。
地上での準備作業に切り替えます。
以前、強風の中で作業を続けようとして、職人さんから「こんな風の中では危なくて作業できない」と言われたことがあります。
安全第一です。
低温の場合、塗装(結露の発生)・塗膜防水は不可。
気温5℃以下が判断基準です。
下地処理や養生作業に切り替えます。
高温の場合、塗装(早期乾燥)は注意が必要。
気温35℃以上が判断基準です。
下地処理や洗浄作業に切り替えることもあります。
作業員数の最適化計算
工程を守るためには、適切な作業員数の配置が大事。
私が使用している計算方法をご紹介します。
必要人数=作業量(㎡)÷日当たり作業能力(㎡/人・日)÷工期(日)で計算します。
実例として、外壁塗装の場合。
塗装面積が2,000㎡、1人1日の塗装能力が40㎡、予定工期が10日間なら、必要人数は2,000÷40÷10=5人です。
ただし、この計算はあくまで理論値。
実際には、天候による作業できない日や、職人さんの体調不良なども考慮して、少し多めに確保しておく方が安全です。
オープンタイム(作業可能時間)の確保
外装工事では塗料の乾燥時間や硬化時間を考慮した「オープンタイム」の管理が大事。
これを間違えると、品質に直結します。
下塗り〜中塗り間隔は、4-16時間(材料により異なる)。
中塗り〜上塗り間隔は、4-24時間(気温・湿度により変動)。
最終養生時間は、24-48時間(完全硬化まで)です。
これらの時間を工程表作成時にメモし、次工程との調整を確実に行っています。
「もう塗れますか?」と職人さんに聞かれた時、すぐに答えられるようにしておくことが大切です。
大規模外装工事における効率的な工区分割管理
大規模な外装工事では、建物を複数の工区に分けて効率的に工事を進めることが大事。
私が管理した事例を基に、実践的な工区分割手法をお話しします。
工区分割の基本原則
効率的な工区分割には原則があります。
建物規模で分割する場合、延床面積・階数を考慮します。
標準的には1,000㎡当たり1工区で、作業効率と管理負荷のバランスを取ります。
作業内容で分割する場合、工種の複雑さ・専門性を考慮。
職種数に応じて調整し、職人の習熟度向上を図ります。
工期制約で分割する場合、完成期限・中間節目を考慮。
工期に応じて柔軟に設定し、クリティカルパスを明確化します。
安全管理で分割する場合、同時作業による干渉を考慮。
安全確保可能な範囲で、作業間の安全な分離を図ります。
実際の工区分割事例:12階建てマンション
築30年、12階建て120戸のマンション大規模修繕での工区分割実例をご紹介します。
A工区は1-4階で、期間2ヶ月・バルコニー40戸。
B工区は5-8階で、期間2ヶ月・バルコニー40戸。
C工区は9-12階で、期間2ヶ月・バルコニー40戸。
共用部工区はエントランス・廊下で、期間1ヶ月・全期間並行で実施しました。
この分割により、各工区での作業が完了次第、順次居住者の方々に快適な生活環境をお返しできました。
「まだ全部終わってないけど、うちのバルコニーはもう使えるようになった」と喜んでいただけたのが、本当に嬉しかったです。
ルーフバルコニーがあると、足場と防水が特に大きく絡むため、その部分だけの工程表を作成したりなどの工夫が必要です。
工区間の工程調整と資源配分
複数工区を並行して進める場合、資源(人材・材料・機械)の効率的な配分が大事。
専門技能者は工区間ローテーションで配分。
技能レベルの均一化を図ることで、品質の安定化を実現します。
材料は一括調達・工区別配分で対応。
ロスを最小化することで、コスト削減につながります。
機械・設備は優先順位による共用。
稼働率を最大化することで、設備費用削減を図ります。
足場は段階的移設で対応。
組立・解体コストを調整することで、仮設費削減を実現します。
また、職人さんは日程が中途半端に空いてしまうと自分の稼ぎに影響が出るため、他の工事の予定を入れてしまうことがあります。そうすると自分の現場に戻って来づらくなるため、継続して作業できるように工程や工区の割り振りを考えてあげる必要もあります。
デジタルツールを活用した最新工程管理手法
近年、建設業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、工程管理業務の効率化が図られています。
私が実際に導入しているツールと手法をご紹介します。
最新技術として、過去の工事データを学習したAIによる工程最適化を試験導入しています。
天候予測精度が向上し、過去5年間のデータから作業可能日を高精度予測できるようになりました。
作業効率予測では、職人の技能レベルと作業内容から所要時間を算出。
最適配置提案では、作業員のスキルと作業内容のマッチングを最適化します。
リスク予測では、過去の事例から工程遅延リスクを事前に警告してくれます。
ただし、AIに頼りすぎるのも危険。
最終的な判断は、現場を見ている自分の目と経験が頼りです。
工程管理における関係者とのコミュニケーション強化
工程管理の成功は、関係者全員が同じ情報を共有し、協調して作業を進めることにかかっています。
効果的な情報共有の方法をお話しします。
施主とは、工程進捗・変更点・課題を月2回共有。
定例会議や報告書で情報を伝えます。
影響度と対策を明確にすることが大切です。
設計監理者とは、技術的課題・品質状況を週1-2回共有。
現場打合せやメールで連絡を取ります。
技術的判断の迅速化が求められます。
下請業者とは、詳細工程・作業指示を毎日共有。
朝礼や昼礼(工程会議)で伝達します。
作業の具体的指示が欠かせません。
居住者・利用者とは、影響期間・注意事項を週1回共有。
掲示板や配布物で情報を提供します。
生活への影響を最小化することが最優先です。
工程会議の効率的運営
私が実践している工程会議の運営方法をご紹介します。
事前準備として、進捗データの収集と分析を行います。
現場の確認と職長へのヒアリングに30分かけます。
これをやっておかないと、会議が空中戦になってしまいます。
現状報告では、各工区・各業者からの進捗報告を10分で実施。
問題点の共有では、遅延要因と影響度を10分で確認。
対策の検討では、具体的解決策や代替案を5分で提示します。
工程調整では、修正工程の合意形成を5分で行います。
次週予定確認では、次工程や影響のある作業の説明と共有を5分で実施。
合計35分程度で、効率的に会議を進めます。
工程遅延時のリカバリー対策
外装工事では天候等による遅延は避けられません。
遅延が発生した場合の効果的なリカバリー手法について、実際の経験を基にお話しします。
遅延の早期発見システム
遅延を最小限に抑えるため、早期発見システムを構築しています。
日次遅延は、計画比90%以下の進捗で黄色警告。
週次遅延は、計画比85%以下の進捗で赤色警告。
連続遅延は、3日連続で計画未達成時に緊急対策を開始します。
クリティカル遅延は、全体工期に影響する工程で2日以上の遅延が発生した時です。
具体的なリカバリー手法
遅延が発生した場合、手順でリカバリーを実施します。
作業時間延長は、1-3日程度の軽微遅延に適用。
効果は高く、追加コストは人件費20-30%増で、実施難易度は低めです。
作業員増員は、人海戦術が有効な作業に適用。
効果は中程度で、追加コストは人件費50-70%増、実施難易度は中程度です。
工程の並行化は、従来順次実施していた作業に適用。
効果は高く、追加コストは調整費用のみ、実施難易度は高めです。
工法変更は、大幅な工期短縮が必要な場合に適用。
効果は非常に高いですが、追加コストは材料費・技術費が増加し、実施難易度は非常に高いです。
私が担当した商業施設の事例では、台風による1週間の遅延に対し、工程の並行化と作業時間延長の組み合わせで対応。
最終的に予定より2日早く完成させることができました。
各業種の作業について理解・把握を行い、施工順序に影響のないものを先行して行うことで日数を圧縮するなどの工夫を行ったんです。
コスト効率を考慮した工程最適化
工程管理では工期の短縮だけでなく、コスト効率も大事な要素。
品質を維持しながらコストを最適化する工程管理手法についてお話しします。
工期短縮には追加コストが発生しますが、早期完成によるメリットも考慮する必要があります。
5%短縮の場合、追加コスト率は+2-3%。
作業時間延長で対応し、商業施設では営業損失の軽減につながります。
10%短縮の場合、追加コスト率は+5-8%。
人員増強で対応し、リニューアル効果の早期発現が期待できます。
15%短縮の場合、追加コスト率は+10-15%。
工程並行化で対応し、競合対策の早期実現が可能です。
20%短縮の場合、追加コスト率は+20-30%。
工法変更で対応し、大型イベントに間に合わせることができます。
外装工事では材料の調達タイミングと工程の調整により、大幅なコスト削減が可能。
一括調達によるスケールメリットで、材料費を5-10%削減できます。
JIT(Just In Time)納入で、現場保管費用を削減。
材料メーカーとの直接取引で、中間マージンを削減。
端材の有効活用で、廃棄費用を削減し資源を有効利用できます。
品質確保と工程バランスの実践
工程を守ることは大事ですが、品質を犠牲にしてはいけません。
品質と工程のバランスを取る実践的な手法についてお話しします。
各工程に品質確認のチェックポイントを設け、次工程への移行可否を明確にしています。
下地処理完了時は、付着力テスト・平滑性確認を実施。
下塗り完了時は、カスレがないかを確認します。
中塗り完了時は、隠蔽性確認・表面状態チェックを行います。
上塗り完了時は、膜厚測定・カスレがないかの確認・最終外観検査を実施します。
中塗り材と上塗り材の色を分けるのもおすすめ。
塗り残しが一目でわかるので、品質管理がしやすくなります。
品質不良による手直しは工程に大きな影響を与えるため、事前に手直し工程を織り込んだ計画を立てています。
色ムラは発生率2-3%で、手直し日数は3-5日。
該当面すべてに影響が及びます。
予防策として、塗装条件の標準化(乾燥時間・希釈率などの確認)を徹底しています。
膜厚不足は発生率1-2%で、手直し日数は1日。
該当箇所のみの補修で済みます。
予防策として、膜厚計による都度測定を実施しています。
付着不良は発生率0.5-1%で、手直し日数は3-5日。
下地からやり直しになるため、影響が大きいです。
予防策として、下地処理の徹底が欠かせません。
異物混入は発生率1%で、手直し日数は半日。
部分的補修で対応可能です。
予防策として、作業環境の清浄化を心がけています。
最新技術動向と将来の工程管理
建設業界のDX化が進む中、工程管理分野でも新しい技術の導入が始まっています。
今後の展望についてお話しします。
高層建物の外装工事では、ドローンを活用した進捗確認が効率的。
全体俯瞰映像で、建物全体の施工状況を一目で把握できます。
詳細部位確認で、高所部分の品質確認を安全に実施。
3Dマッピングで、進捗状況を定量的に測定できます。
タイムラプス撮影で、工事経過を可視化し記録できます。
私もドローンを導入してみましたが、本当に便利。
足場を登って確認する手間が省けるので、時間短縮につながります。
まとめ:外装改修工事の工程管理成功の鍵
外装改修工事の工程管理は、新築工事以上に複雑で高度な管理技術が要求されます。
私の6年以上の現場経験を通じて学んだことは、技術的な計画力だけでなく、関係者との円滑なコミュニケーションと柔軟な対応力が成功の鍵だということ。
特に天候という制御不可能な要因がある中で、いかに品質を保ちながら工期を守るか。
これが施工管理者の腕の見せ所です。
デジタルツールの活用により効率化は進んでいますが、最終的には現場の状況を正確に把握し、適切な判断を下す人間の力が大事。
現実的な工程計画では、過去実績と現場条件を考慮した計画を立案します。
天候リスク管理では、季節特性を考慮した予備日を確保。
居住者・利用者配慮では、生活・営業への影響を最小限に抑制します。
柔軟な工程調整では、遅延発生時の迅速なリカバリー対応を実施。
品質との両立では、工期優先でも品質を犠牲にしない管理を徹底します。
効率的な資源配分では、人材・材料・設備を最適に活用。
デジタル活用では、最新技術による管理業務の効率化を図ります。
継続的改善では、各現場での経験を次に活かすシステムを構築しています。
今後も技術の進歩とともに工程管理手法は進化していきますが、「決められた品質を、決められた工期で、安全に完成させる」という基本的な使命は変わりません。
常に学び続け、現場に最適な管理手法を選択していくことが大切です。
参考リンク・資料として、国土交通省 建設業で建設業法・労働安全衛生法関連の情報を確認できます。
気象庁では、天候予測・過去の気象データが入手できます。
建設業振興基金では、施工管理技術の向上支援を受けられます。