【改修工事の施工管理とは?】③施工管理の品質管理完全ガイド

この記事を書いた人

建築施工管理技士/宅地建物取引士/Webエンジニア
・2級建築施工管理技士(取得年:2024年)
・宅地建物取引士(取得年:2020年)
・改修工事施工管理歴:6年(2018年〜現在)
・商業施設改修・修繕200件、マンション大規模修繕15棟
・不動産業務経験:買取再販・売買仲介 3年
・Mac活用13年

改修工事施工管理 品質管理についてのイラスト

第1回:施工管理における安全管理

第2回:施工管理における工程管理

この記事でわかること
  • 施工管理の品質管理とは何か – 基本的な定義と目的
  • 改修工事における品質管理の3段階システム(材料・施工・完成検査)
  • 施工保証・材料保証書の種類と実務での活用方法
  • 外装工事での具体的な品質基準と検査手法
  • 品質不良発生時の効果的な対応と手直し管理
  • デジタルツールを活用した品質記録・管理システム
  • 長期品質保証のための予防的品質管理手法

施工管理における品質管理とは?改修工事での重要性

施工管理とは、建設工事の現場技術者を指揮監督し、工事全体を管理すること。
その中でも品質管理は、完成品が設計図通りであるかを厳格に精査することです。

具体的には、使用する材料の寸法や強度、仕上げの程度などが設計図や仕様書で規定された基準に合致しているかを確認します。
この際、設計図を補う詳細な図面作成が求められる場合もあります。
完成後に検査を実施して、建物の強度や仕上がりが設計どおりであることを証明することも品質管理業務の大事な部分。

品質管理は他の管理業務と密接に連携し、工事全体の成功を左右します。
安全管理では、安全な作業環境での品質確保が求められます。
改修工事では、居住者・利用者への影響を考慮した品質管理が必要。

工程管理では、品質確認に必要な時間を工程に組み込みます。
段階的施工による品質の均一性を確保することが大切。
品質管理は、設計図・仕様書通りの品質確保の中核業務です。
既存建物との取り合い部分の品質管理が、特に重要になります。

原価管理では、適正品質でのコスト最適化を図ります。
長期保証を見据えた品質投資の判断が求められます。

改修工事における品質管理は、新築工事以上に複雑で大事な業務。
私は改修工事の施工管理を6年以上経験し、商業施設やマンションの外装工事を中心に、数多くの品質管理業務を担当してきました。

改修工事では既存建物との取り合い部分の処理や、居住者・利用者がいる環境での品質確保など、新築工事にはない特有の課題があります。
また、完成後の保証期間中に品質問題が発生すると、居住者や利用者に直接影響するため、より高い品質基準が求められるんです。


改修工事における品質管理の特殊性と重要性

改修工事の品質管理は、新築工事と根本的に異なる課題があります。
国土交通省の建設工事品質管理基準によると、改修工事では既存部分との整合性確保により、品質管理項目が新築工事の1.5倍になる。
これが品質管理を難しくしている主要因です。

既存との取り合いは、本当に難しい。
材料の相性や膨張収縮の差で、問題が発生することが多いんです。
発生頻度は高く、対策の重要度も最高レベル。
長期品質に直結する部分なので、絶対に手を抜けません。

隠蔽部の品質確認も課題の一つ。
既存構造の劣化状況を把握するのは、発生頻度は中程度ですが、根本的な品質問題につながります。
壁の中がどうなっているかは、開けてみないとわからない。
でも、開けすぎると既存部分を傷めてしまう。
このバランスが難しいんです。

段階的施工も品質管理を複雑にします。
工区間の品質均一性を確保するのは、発生頻度が高く、外観の統一性に影響します。
A工区とB工区で色が違って見える、なんてことがあったら大問題です。

環境制約下の作業も避けられません。
最適条件での施工が困難で、発生頻度は非常に高い。
基本品質の確保に直結するので、対策の重要度は最高レベルです。
「今日は風が強いから塗装はできない」「気温が低すぎる」といった制約の中で、どう品質を確保するかが腕の見せ所。

ぱんたロイド
私が初めて担当した改修工事で、既存の塗膜との相性を十分確認せずに新しい塗料を施工したところ、数ヶ月後に剥離が発生してしまいました。この経験から、材料の適合性確認の大切さを痛感しました。

品質管理の3段階システム – 材料・施工・完成検査

私が現場で実践している品質管理は、「材料納入時検査」「施工中検査」「完成検査」の3段階システムで構成されています。
各段階で適切な検査を行うことで、高品質な仕上がりを実現しているんです。

第1段階:材料納入時検査の詳細実務

品質の基礎となる材料の検査は、品質管理の最重要ポイント。
ここで不良品を見逃すと、後で大変なことになります。

外装塗料の検査では、粘度・色調・品質証明書を確認。
目視と測定器具で検査して、規格値±5%以内が合格基準です。
不合格の場合は、即座に返品・交換します。
以前、粘度が規格外の塗料を使ってしまって、塗りムラが発生したことがありました。
それ以降、必ず粘度を測定しています。

シーリング材の検査では、硬化性・接着性試験を実施。
サンプル試験を行って、24時間以内に硬化するかを確認。
不合格の場合は、ロット全体を返品します。
シーリング材は現場の温度や湿度で硬化時間が変わるので、実際の現場条件でサンプル試験を行うことが大切です。

防水材の検査では、伸び率・引張強度をチェック。
メーカー証明書を確認して、JIS規格に適合しているかを見ます。
不合格の場合は、代替材料を手配。
防水材は建物の生命線なので、絶対に妥協できません。

断熱材の検査では、熱伝導率・厚みを測定。
サンプリング測定を行って、設計値±3%以内が合格基準です。
不合格の場合は、該当品のみ返品します。

材料検査で大事なチェックポイントをまとめます。
納入数量の確認では、発注書との照合と過不足の記録を行います。
品質証明書の確認では、JIS規格適合や性能試験結果を確認。
現場適合性確認では、既存材料との相性や気候条件への適合をチェックします。

保管条件の確保では、温度・湿度・直射日光等を管理。
使用期限管理では、先入先出しを徹底して、期限切れ材料を排除します。

第2段階:施工中検査の実践的手法

施工中の検査は、各工程の完了時点で実施する中間検査と、作業中の随時確認に分けて実施しています。

下地処理完了時の検査では、まず高圧洗浄後の汚れ除去を確認。
目視で100%チェックして、写真記録を残します。
下地の平滑性は、2mスケールで3mm以内を基準に確認。
水分含有率は測定して、10%以下で次工程に移行できます。

下塗り完了時の検査では、膜厚を測定します。
規定厚±10μm以内、20点/100㎡で測定した平均が基準。
塗布ムラは目視検査と写真記録で確認。
ピンホール・気泡の有無もチェックします。
乾燥状態は、指触乾燥後の表面硬度を測定して確認します。

中塗り・上塗り完了時の検査では、色調を確認。
色見本との比較を行います。
隠蔽性の確認では、下地が透けていないかをチェック。
表面平滑性は、目視にて刷毛跡・ローラー跡が除去されているかを確認します。

私が管理するプロジェクトでは、これらの検査結果を記録し、クラウドシステムで一元管理しています。
スマホで撮った写真も、その場でアップロードできるので、記録漏れがありません。

第3段階:完成検査の多段階システム

完成検査は関係者による段階的な検査システムで実施し、品質の客観性と透明性を確保しています。

自主検査では、施工業者が検査を実施。
不合格の場合は、即座に手直しを行います。
この段階で問題を見つけられないと、後で大変なことになります。

施工管理検査では、現場代理人が検査を実施。
不合格の場合は、原因分析と対策を行います。
私がチェックするのは、この段階です。
施工業者が見逃した細かい部分も、ここで見つけます。

監理者検査では、工事監理者が検査を実施。
不合格の場合は、技術的検討と修正指示を出します。
第三者の目でチェックしてもらうので、自分では気づかない問題も発見できます。

施主検査では、発注者が検査を実施。
不合格の場合は、協議による解決策を検討します。
最終的にお金を払う人のチェックなので、一番厳しい目で見られます。

ChatGPT活用
完成検査では、晴天時と曇天時の両方で外観確認を行っています。光の当たり方によって見え方が大きく変わるため、様々な条件での確認が大事。特に色ムラは光の条件で発見されることが多いですね。

施工保証・材料保証書の種類と実務活用

改修工事では完成後の長期品質確保が大事で、各種保証書の適切な管理と活用が欠かせません。
私が現場で扱っている保証書の種類と実務での活用方法をお話しします。

施工保証書は、保証期間が2-5年。
保証範囲は施工不良による不具合で、元請業者が発行します。
有償で延長が可能です。

材料保証書は、保証期間が5-15年。
保証範囲は材料の性能・耐久性で、材料メーカーが発行します。
条件により延長できることもあります。

防水工事保証書は、保証期間が10-15年。
保証範囲は防水性能の維持で、防水専門業者が発行します。
定期点検により延長が可能です。

材料メーカーが発行する保証書は、長期品質維持の大事な根拠。
私が実践している管理方法をご紹介します。

保証条件の事前確認では、使用条件・施工条件・メンテナンス要件をチェック。
施工記録との紐付けでは、使用材料と施工箇所の詳細を記録します。
定期点検スケジュールでは、保証維持のための点検計画を策定。

クレーム対応手順では、不具合発生時の迅速な対応体制を整えます。
保証書原本管理では、紛失防止のためのデジタル化と複製保管を実施。
特に保証書のデジタル化は重要で、紙の保証書は紛失するリスクがあります。
PDFでスキャンして、クラウドに保存しておけば、いつでも確認できます。


外装工事における具体的品質基準と検査手法

外装工事では、美観だけでなく建物の保護機能も大事な品質要素。
私が現場で適用している具体的な品質基準と検査手法についてお話しします。

外装塗装の品質は、数値化できる項目と目視による判定項目に分けて管理しています。

膜厚の測定では、電磁膜厚計を使用。
設計値±20μmが合格基準で、20点/100㎡の頻度で測定します。
測定位置を図面に記録して、後で確認できるようにしています。

付着力の測定では、クロスカット法を使用。
剥離面積5%以下が合格基準で、100㎡に1箇所の頻度で測定します。
写真付きで記録を残します。
この試験は塗膜に傷をつけるので、目立たない場所で行うのがコツです。

バルコニーや屋上の防水工事は、建物の根幹に関わる大事な工事。
私が実践している品質管理手法をご紹介します。

下地処理では、既存防水層の完全除去を確認します。
下地コンクリートのひび割れ補修が完了しているかもチェック。
水勾配は、1/50以上の勾配を確保します。
下地含水率は、8%以下を確認してから次工程に進みます。

防水施工では、プライマー塗布量を確認(0.2-0.3kg/㎡)。
防水層厚さは、規定厚の±10%以内をチェック。
立ち上がり部の施工高さは、120mm以上を確保します。
継手部の重ね幅は、100mm以上を確認します。

完成検査では、目視による表面状態を確認。
保護層の施工も確認します。
排水設備の機能をチェックして、通水試験を実施(24時間以上の滞水試験)。
この滞水試験は本当に大事で、ここで漏水が見つかれば、完成前に補修できます。
完成後に漏水が発覚したら、大変なことになりますから。


品質不良発生時の効果的対応と手直し管理

品質不良は完全に防ぐことは難しいですが、発生した場合の迅速で適切な対応が大事。
私の現場での対応システムをお話しします。

品質不良を重要度に応じて分類し、対応の優先順位を明確にしています。

A級(緊急)は、漏水・構造的欠陥など。
即日対応が必要で、作業中止・原因究明・緊急補修を行います。
工程への影響は大きく、大幅な工程変更が避けられません。
こういう事態は絶対に避けたいので、事前の品質管理を徹底しています。

B級(重要)は、付着不良など。
3日以内の対応が必要で、該当部分をやり直します。
工程への影響は数日〜1週間の遅延。
私が最初に失敗した塗装の剥離は、このレベルでした。

C級(軽微)は、部分的な色ムラ・軽微な傷など。
1週間以内の対応で、部分補修・タッチアップを行います。
工程への影響は軽微な遅延で済みます。

D級(許容範囲)は、規格内の色差・微細な凹凸など。
記録のみで対応し、経過観察を行います。
工程への影響はありません。
この判断は難しくて、お客様との認識のすり合わせが必要です。

品質不良が発生した場合、表面的な対策だけでなく根本原因の分析と再発防止策の実施が大事。
なぜなぜ分析で原因を究明します。

例えば、外壁塗装の剥離が発生した場合。
なぜ塗装が剥離したのか?下地との付着力が不足していたから。
なぜ付着力が不足したのか?下地処理が不十分だったから。
なぜ下地処理が不十分だったのか?高圧洗浄後の乾燥が不十分だったから。
なぜ乾燥が不十分だったのか?工程優先で乾燥時間を短縮したから。

真の原因は、工程管理と品質管理の連携不足。
対策として、品質確認完了後の次工程移行ルールを徹底します。

手直し工事では、既施工部分との品質差を生じさせないよう、特に注意深い管理が必要。
材料の統一では、初回施工と同一ロットの材料を使用。
施工条件の統一では、気温・湿度・風速等の条件を合わせます。

技能者の統一では、初回施工者による手直しを実施。
品質確認の強化では、通常の1.5倍の検査項目で確認します。
手直し部分だけが目立つことがないように、慎重に作業を進めます。


デジタルツールを活用した品質記録・管理システム

近年、建設業界でもデジタル化が進み、品質管理業務の効率化と精度向上が実現しています。
私が現場で導入している最新システムをご紹介します。

スマートフォンやタブレットを活用した品質管理システムの導入効果は大きい。
検査チェックでは、紙のチェックリストからデジタルフォームに変更。
入力時間が50%削減されました。

写真記録では、デジカメからPCに転送する手間がなくなり、直接クラウドにアップロード。
整理時間が80%削減されました。
現場で撮った写真が、事務所のPCでもすぐに見られるのは本当に便利です。

測定値記録では、手書きで記録して後でPCに入力する二度手間がなくなり、その場で数値を入力。
転記ミスが完全に排除されました。
以前は、手書きのメモを読み間違えて、違う数値を入力してしまったことがあります。
デジタル化で、そういうミスがなくなりました。

報告書作成では、手作業でまとめる必要がなくなり、自動生成。
作成時間が70%削減されました。

塗装工事では環境条件が品質に大きく影響するため、IoTセンサーによる常時監視を実施する場合もあります。
温度・湿度監視では、塗装適正条件を自動判定。
風速監視では、高所作業可否を安全判定します。

雨量監視では、降雨による作業停止を自動でアラート。
紫外線量監視では、塗料硬化条件を最適化。
騒音監視では、近隣配慮基準値を監視します。
これらのセンサーが自動で環境をモニタリングしてくれるので、現場にいなくても状況を把握できます。

最新技術として、AI画像解析による品質判定システムも試験導入を検討しています。
色ムラ検出では、人の目では判別困難な微細な色差も検出可能。
塗布ムラ検出では、表面の光沢差による塗布不良を自動検出。

ひび割れ検出では、0.1mm以下の微細クラックも検出できます。
汚れ・異物検出では、塗装面の異物混入を自動判定。
まだ検討段階ですが、実用化されれば品質管理の精度が格段に向上するはずです。

プロフィール用
AI画像解析はまだ検討段階ですが、人の目だけでは見逃してしまう品質不良を早期に発見できる可能性があります。技術の進歩で品質管理がより確実になっていくのを実感しています。

長期品質保証のための予防的品質管理

改修工事では完成後の長期にわたる品質維持が大事。
私が実践している予防的品質管理システムについてお話しします。

外装材料の劣化は予測可能で、この予測に基づいて品質設計を行うことで長期品質を実現できます。

紫外線劣化は影響度が非常に高い。
日射量データを分析して予測し、高耐候性材料を選択することで、3-5年の効果期間延長が期待できます。
特に南面や西面は紫外線の影響が大きいので、グレードの高い材料を使うこともあります。

温度変化も影響度が高い。
気温変化データで予測し、柔軟性のある材料を採用することで、3-5年の効果期間延長が可能。
夏は40℃以上、冬は氷点下まで温度が変わる地域では、この対策が欠かせません。

酸性雨は影響度が中程度。
大気汚染データで予測し、耐薬品性を向上させることで、3-5年の効果期間延長を実現します。
塩害は立地による影響があります。
海岸からの距離で予測し、耐塩性材料を選択することで、3-5年の効果期間延長が期待できます。

長期保証を維持するため、計画的な定期点検システムを構築しています。
5年保証の場合、1年点検では初期不良を確認し、軽微な手直しを実施。
2年点検でも初期不良を確認し、軽微な手直しを行います。

3年点検では、劣化兆候を確認し、補修工事を実施。
5年点検では、次回改修時期を検討し、部分改修を行います。
これらの点検を計画的に実施することで、大きな問題になる前に対処できます。

定期点検の結果を基に、計画的な予防保全を実施することで品質を長期維持できます。
シーリング補修は、5年毎のシーリング材打ち替えを実施。
部分塗装は、劣化の早い部分を部分的に塗り替え。
防水補修は、10年毎の防水層の部分補修を行います。


品質管理における関係者との連携強化

品質管理の成功は、関係者全員が品質意識を共有し、協力して取り組むことにかかっています。
効果的な連携システムについてお話しします。

下請業者との品質意識の統一が大事で、様々な取り組みを実施しています。
品質方針説明は、工事開始前に全業者に対して実施。
品質基準や検査方法を説明し、統一された品質意識を持ってもらいます。

技術指導会は、年1〜2回、職長以上を対象に実施。
技術的課題を共有し対策を検討することで、技術レベルが向上します。

品質パトロールは、週1回、品質管理者による現場巡視と指導を実施。
品質不良の早期発見につながります。
私も週に1回は必ず現場を見て回り、気になる点があればその場で指摘しています。

品質改善提案は、随時、全作業員から受け付け。
改善アイデアを提案してもらうことで、継続的な品質向上を実現します。
現場で実際に作業している職人さんからの提案は、本当に役立つことが多いです。

透明性の高い品質管理のため、施主・監理者との密な情報共有を実施しています。
品質報告では、実施した検査項目と結果を詳細に報告。
写真付き進捗報告では、各工程の仕上がり状況を写真で報告します。

品質課題報告では、発生した問題と対策を即座に報告。
改善提案報告では、品質向上のための提案事項を共有。
完成品質保証書では、最終品質確認結果と保証内容を提示します。
隠さずに全て報告することで、信頼関係が築けます。


品質管理コストの最適化

品質管理には相応のコストがかかりますが、長期的な視点で見ると大きな経済効果があります。
コストパフォーマンスの最適化についてお話しします。

私が管理するプロジェクトでの品質管理コスト分析(工事費に対する比率)です。
検査・測定費用は1.5-2.0%で、測定器具や検査材料費が主な内容。
削減可能性は低く、必要最小限です。

品質管理人件費は2.0-3.0%で、専門技術者の配置費用が主な内容。
削減可能性は中程度で、効率化により削減できます。

手直し・補修費用は0.5-2.0%で、品質不良時の修正費用が主な内容。
削減可能性は高く、予防により大幅に削減できます。
ここを削減できれば、全体のコストを大きく下げられます。

保証対応費用は0.3-1.0%で、保証期間中の対応費用が主な内容。
削減可能性は高く、初期品質向上により削減できます。

品質管理への投資は、長期的に大きな経済効果をもたらします。
追加品質投資として、工事費の2%(400万円の工事で8万円)を考えます。

削減効果として、手直し費用削減で20-30万円(初期品質向上により)。
保証対応費用削減で10-15万円(クレーム減少により)。
次回改修時期延長で200-300万円(耐久性向上により5年延長)。
資産価値向上で100-150万円(美観・機能性向上により)が期待できます。

総合効果として、投資額の約40-50倍のリターンがあります。
最初はコストがかかるように見えますが、長い目で見れば絶対にペイするんです。

現場あるある
品質管理は目先のコストばかり見てしまいがちですが、長期的に見ると絶対にペイします。安く仕上げても後で問題が出れば結局高くつきます。最初にしっかり品質を確保することが一番経済的ですね。

最新の品質管理技術動向

建設業界の技術革新により、品質管理分野でも新しい手法が導入されています。
今後の動向についてお話しします。

建物を傷つけることなく内部の状況を確認できる非破壊検査技術の活用が進んでいます。
赤外線サーモグラフィでは、断熱性能の確認や内部結露の検出が可能。
超音波検査では、コンクリート内部の空隙や鉄筋位置の確認ができます。

レーダー探査では、埋設配管の位置確認や内部構造の把握が可能。
電磁波探査では、鉄筋腐食の程度や塩分浸透の確認ができます。
これらの技術を使えば、建物を壊さずに内部の状況がわかるので、本当に便利です。


まとめ:品質管理は建物の生命線

改修工事における品質管理は、建物の長期性能と居住者・利用者の満足度を決定する極めて大事な業務。
私の6年以上の現場経験を通じて実感することは、品質管理に「完璧」はなく、常に改善し続ける姿勢が大切だということです。

特に外装改修工事では、建物の保護機能と美観の両方を長期間維持する必要があり、材料選定から施工管理、完成後の保証まで一貫した品質管理システムが欠かせません。
デジタル技術の活用により効率化は進んでいますが、最終的には現場での丁寧な確認と記録が品質を支えています。

3段階検査システムでは、材料・施工・完成の各段階での確実な品質確認を実施。
予防的品質管理では、不良が発生する前の予防策を実施します。
保証書の活用では、施工・材料保証書による長期品質を確保。

デジタル化推進では、記録の効率化と精度を向上させます。
関係者連携では、全員参加による品質意識を統一。
継続的改善では、不良発生時の根本原因分析と再発防止を徹底します。

長期視点では、初期品質投資による長期的な経済効果を重視。
技術革新対応では、新技術の積極的導入による品質向上を図ります。

品質管理は一朝一夕に身につくものではありませんが、基本を確実に実践し、現場ごとの特性に応じて柔軟に対応することで、必ず高品質な仕上がりを実現できます。
建物の生命線である品質管理に、これからも全力で取り組んでいきたいと思います。

参考リンク・資料として、国土交通省 建設工事品質管理基準で公共工事の品質管理基準を確認できます。
日本産業標準調査会(JIS)では、建設材料の品質基準が参照できます。

日本塗料工業会では、塗装工事の品質基準・技術指針が入手できます。
日本防水材料協会では、防水工事の品質管理指針が確認できます。
建設業技術者検定では、施工管理技士資格・技術情報が得られます。

ぱんたロイド
品質管理は地味な作業の積み重ねですが、完成した建物が長く美しく保たれるのを見ると、本当にやりがいを感じます。一つ一つの検査が建物の将来を支えているんだと思って、丁寧に取り組んでいます。最後は原価管理についても詳しくお話し予定です!

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