DIYで後悔する小工事──「これだけはプロに任せておけ」
2025年6月29日

「ちょっとした補修くらい、自分でやってみようかな…」
最近はDIYブームもあり、ホームセンターやYouTubeで気軽に挑戦できそうな動画や道具が豊富にそろっています。
ですが、現場で施工管理に携わる立場として、はっきり言えることがあります。
それは──「小さい工事ほどプロに任せるべき」ということ。
この記事では、実際にDIYで失敗した小工事の具体例を3つご紹介し、後悔を防ぐためのポイントをわかりやすく解説します。
① 外壁のひび割れ補修──DIYパテでは防水できない
ホームセンターで手に入る補修パテやコーキング材は、表面のヒビを一時的に隠すことはできますが、防水性や耐久性には大きな不安があります。
私が担当した現場でも、DIYでパテ埋めされた外壁から数ヶ月後に雨漏りが発生し、壁内部の下地が腐食。結果的に外壁全体の補修工事が必要となり、費用はDIYの10倍以上に膨れ上がりました。
本来ならば、ひび割れの種類を見極めて、微弾性材塗布、エポキシ樹脂注入、プライマー塗布などの工程が求められます。
参考リンク: LIFULL HOME’S|外壁補修の基礎知識
② 水まわりのコーキング──カビ・漏水の温床に
浴室や洗面台まわりのコーキング補修は、一見簡単に見えますが、古いコーキングをきれいに除去できるかどうかで結果が大きく変わります。
実際に、「表面をなぞっただけ」のDIY施工では、内部に水が入り込み、壁内部でカビが繁殖するリスクが高まります。
また、素材に適していないシリコン材を使うと、わずか数ヶ月で剥離が発生したり、可塑剤が塗装と反応して壁に汚れが発生したりします。プロは下地や湿度、その上の仕上げ材などを見ながら材料と施工順序を慎重に選んでいます。
③ 網戸やサッシの交換──「枠のゆがみ」が落とし穴
「ちょっと傾いてるだけだし、網戸くらいなら」と思ってDIYした結果、隙間風や虫の侵入に悩まされることも珍しくありません。
原因は、建物自体の経年によるゆがみや枠のねじれ。見た目では判断しにくく、微調整が必要な作業です。
知人のケースでは、新品の網戸が枠にうまく入らず何度もやり直した末、結局プロに依頼。DIYコスト+修正費用で約4万円の出費になってしまいました。
「簡単そう」に見える工事こそプロに任せるべき理由
- 見た目だけの補修では内部の劣化を放置する危険がある
- 防水や断熱などの見えない性能確保が難しい
- 誤った材料選定や工具使用でかえって損失が大きくなる
DIYでの施工費は数千円でも、失敗して再施工になると数万円〜数十万円の補修費が発生するケースも多々あります。
まとめ:DIYとプロの使い分けが家を守る
DIYには楽しさと節約の魅力がありますが、住宅に関わる工事は安全・構造・長期耐久といった見えない要素が多く含まれます。
「この程度なら大丈夫」と軽く考えた結果、大きな出費や後悔につながることもしばしば。
まずは相談・見積だけでもしてみる。それが“後悔しないリフォーム”への第一歩です。