「無料点検です」にご注意──点検商法の実態と見抜き方
「無料で点検しますよ」──このセリフ、聞き覚えはありませんか?
築10年以上の戸建て住宅に住んでいると、高確率で訪れるのがいわゆる「点検商法」。私も施工管理の現場でこの被害にあったご家庭を何度も見てきました。
この記事では、実際にあったトラブル例とともに、点検商法の手口・見抜き方・被害防止策を解説します。
事例:無料点検から始まった高額リフォーム
ある日、私が訪問したご家庭では、既に「屋根裏のシロアリ駆除」として30万円を支払った後でした。
きっかけは、「近所で工事をしていて、気になったので」と言って現れた営業マン。家主が不安になって点検を依頼すると、「今すぐ直さないと家がダメになります」と畳みかけるように工事契約をさせられていました。
実際に屋根裏を確認したところ、シロアリ被害は見当たらず、薬剤散布の形跡もない完全な不要工事でした。
典型的な点検商法の流れとは?
点検商法では、以下のようなステップで契約まで進められます:
- 「無料点検」を口実に訪問
- 床下・屋根裏など見えない場所に案内
- 不安をあおるセリフで即決を迫る
- 高額な契約へ(工事は不要 or 質が低い)
特に高齢者や一人暮らしの家庭が狙われる傾向があります。
参考リンク:
国民生活センター|点検商法の注意喚起ページ
この特徴があれば要注意!チェックリスト
- 「今すぐ直さないと危ない」と不安をあおってくる
- 点検時の写真や報告書が提示されない
- 見積書に「一式」としか書かれていない
- 会社の所在地や施工実績が不明瞭
1つでも当てはまる場合、その場で契約せず、信頼できる第三者に相談しましょう。
もし契約してしまったら? クーリングオフの活用
訪問販売などに該当する場合は、8日以内であればクーリングオフが可能です。
- 契約書面の交付から8日以内
- 書面が交付されていない場合は期間延長の可能性あり
参考リンク:
消費者庁|訪問販売に関するガイド
また、お住まいの地域の消費生活センターにも、すぐ相談しましょう。
まとめ:無料点検に「その場で契約」は絶対NG
点検商法は、親切そうな態度と不安をあおる言葉で一気に契約へ導きます。
本当に信頼できる業者は、強引な即決を迫ったり、恐怖心を煽るような言い回しはしません。
まずは複数社に見積もりを依頼し、工事内容・価格・対応を比較検討することが、最大の防御策です。
不安を感じたときこそ、一度立ち止まり、家族や専門家に相談しましょう。