2026年不動産は調整局面へ?宅建士が市場動向と建物劣化から見た買い時

この記事を書いた人

建築施工管理技士/宅地建物取引士/Webエンジニア
・2級建築施工管理技士(取得年:2024年)
・宅地建物取引士(取得年:2020年)
・改修工事施工管理歴:6年(2018年〜現在)
・商業施設改修・修繕200件、マンション大規模修繕15棟
・不動産業務経験:買取再販・売買仲介 3年
・Mac活用13年

2026年不動産は調整局面へ宅建士が市場動向を解説

この記事でわかること

  • 住宅ローン減税延長と2026年市場予測
  • 社会保険料上昇で購買力はどう変わるか
  • 施工管理者が教える建物劣化の見抜き方
  • 2026年は買い時?売り時?判断基準

2026年、住宅ローン減税は延長される見込みですが、社会保険料が増額されて実質的な手取りは減ります。
外国人購入規制も結局まだ実施されず、都心部の価格は高いままという状況が続きそうです。

宅建士として、買取再販や仲介で数件の取引を見てきましたが、
「暴落を待つ」より怖いのは「買ってはいけない物件を高値で掴むこと」だと痛感しています。

2026年の市場がどう動くのか、そして宅建士×施工管理者の視点で本当の買い時・売り時はいつなのかを解説していきます。

2026年不動産市場で起きる4つの変化

不動産に関するリスト

2025年末に発表される「令和8年度税制改正大綱」で正式に決まるまでは確定ではありませんが、国土交通省が住宅ローン減税の3年延長を税制改正要望に盛り込んでいます。
業界紙の報道では5年延長という話も出ていて、2025年末で制度が終わる可能性はかなり低いと見ています。

住宅ローン減税は延長される見込み

今の制度では、子育て世帯や若い夫婦に対して借入限度額が500万円から1,000万円上乗せされますが、これも続く方向です。
住宅価格がどんどん上がっている中で、政府も税制で買いやすくする姿勢は崩していません。

私が担当した取引を見ていると、住宅ローン減税の有無は購入判断に大きく影響します。
延長されれば、2026年も一定の需要は維持されるでしょう。

社会保険料月500円増で実質手取りは減る

一方で見逃せないのが、2026年から始まる「子ども・子育て支援金制度」による社会保険料の引き上げです。
月額約500円、年間では6,000円の負担増になります。

年収400万円の会社員なら、社会保険料は年間約60万円。
ここに6,000円追加されるわけです。
さらに金融機関の担当者から聞いた話では、変動金利は今後段階的に上がる見込みとのこと。

実際に計算してみると、3,000万円のローンを組んだ場合、金利0.5%と1.0%では月々の返済額が約8,000円変わります。
社会保険料と合わせると、実質的な購買力はかなり落ちる計算です。

ぱんたロイド
手取りが減るのに住宅価格は高いまま…厳しい状況が続きそうですね。

外国人購入規制は結局まだ実施されていない

「外国人の不動産購入を規制すべき」という声は以前からありますが、2025年現在も実質的な規制は実施されていません。
安全保障上の観点から「重要土地等調査法」が議論されていますが、購入そのものを制限する内容ではありません。

私が担当した取引でも、外国人投資家による都心マンションの購入は依然として見られます。
規制強化の議論はありますが、法制化まではまだ時間がかかりそうです。

二極化・三極化が加速する

これらの要因を総合すると、2026年の不動産市場は「二極化・三極化」がさらに進むと私は予測しています。

エリア・特徴2026年予測
上位2割都心・駅徒歩5分以内・好立地高止まり継続(±0〜+5%)
中間層郊外・駅徒歩10分以上緩やかな調整(-5〜-10%)
下位2割地方・管理不良物件下落加速(-15〜-20%)

この傾向は何年も前から既に始まっています。
私が仲介した23区内の駅近物件は即売、価格交渉の余地もほとんどありませんでした。
一方で、郊外の駅遠物件は3ヶ月以上売れ残るケースが増えています。

建物劣化から見た「買うべき物件」vs「避けるべき物件」

買うべき?見送るべき?不動産を購入するタイミング

ここからは施工管理者としての視点で、「価格は適正でも建物がダメ」という物件の見抜き方を解説します。正直、これが一番重要です。

避けるべき物件の5つの特徴

施工管理としてマンション大規模修繕を担当してきた経験から、「絶対に避けるべき物件」には共通点があります。

避けるべき特徴問題点費用リスク
築30年以上で大規模修繕が未実施外壁のひび割れ、防水層の劣化、鉄部のサビなど、目に見える劣化が進行1戸あたり100万円以上
修繕積立金が月額1万円以下大規模修繕が不可能、一時金徴収が必要50万円〜100万円の一時金
配管が鉄管のまま(築25年以上)腐食が始まっている可能性が高い、5年以内に全面交換が必要1戸あたり80万円〜150万円
共用部にひび割れ・雨漏り跡構造に問題がある可能性、鉄筋が錆びているケースも100万円〜200万円
管理組合が機能していない総会の出席率が低い、理事のなり手がいない、修繕計画が立てられない将来的に大規模な費用負担
築30年物件の落とし穴

築30年前後の物件は価格が手頃ですが、大規模修繕の時期と重なります。
購入前に必ず修繕履歴と今後の修繕計画を確認してください。
積立金が不足している物件は、購入後すぐに数十万円の一時金徴収があるケースも珍しくありません。

買うべき物件の5つの特徴

逆に、「これなら買っても大丈夫」という物件の特徴も明確です。

買うべき特徴メリット資産価値
駅徒歩5分以内立地は後から変えられない、多少価格が高くても資産価値は維持されやすい
修繕履歴が充実10年ごとに大規模修繕が実施、長期修繕計画が明確、管理組合がしっかり機能
配管交換が済んでいる築20〜30年の間に交換済みなら、今後10〜15年は大きな出費なし中〜高
管理費・修繕積立金が適正修繕積立金は1平米あたり月額200〜300円が目安(70平米なら月額1.4〜2.1万円)
管理組合が活発総会の出席率が高い、理事会が定期的に開催、長期的に安心
狙い目の中古物件

築15年から20年で、大規模修繕が一度実施済み、配管交換も終わっている物件は狙い目です。
新築より2,000万円から3,000万円安く、建物の状態も良好なケースが多いです。

実例—築25年マンション1,000万円下落の理由

価値が下落した不動産の例

昨年、神奈川県某市の駅徒歩12分のマンションで、こんな事例がありました。

2024年春、売主は8,000万円で売り出しました。
周辺相場からすれば妥当な価格です。
しかし、3ヶ月経っても買い手がつきませんでした。
私が宅建士として取引を仲介する中で、買主候補が何人も内覧に来ましたが、全員が購入を見送りました。
理由を聞くと、「建物の状態が気になる」「修繕費用が心配」という声が多かったです。

そこで施工管理者として建物を診断したところ、いくつかの問題点が見つかりました。

まず、築25年で大規模修繕が一度も実施されていませんでした。
外壁には幅3ミリ以上のひび割れが複数あり、バルコニーの防水層も劣化していました。

次に、修繕積立金が月額8,000円でした。
国土交通省の目安では、この規模のマンションなら月額2万円程度必要です。
さらに、配管が鉄管のままでした。築25年なら腐食が始まっている可能性が高く、あと5年以内に全面交換が必要です。

これらの状況を買主候補に説明すると、「修繕費用を考えると、適正価格は6,500万円程度では?」という反応でした。
結局、売主は2025年に7,000万円まで値下げして、ようやく成約しました。当初より1,000万円も安くなったわけです。

ぱんたロイド
価格だけで判断すると、こういう失敗をしてしまうんですね。建物の状態チェックは本当に大切です!

2026年は買い時?売り時?—宅建士が教える判断基準

2026年の不動産価値は暴落?上昇?宅建士が解説

では、2026年は買い時なのか、売り時なのか。宅建士として実務経験から判断基準を解説します。

買うべき人・待つべき人

判定特徴理由
買うべき人住宅ローン減税の恩恵を最大限受けられる人(子育て世帯・若い夫婦)借入限度額の上乗せ措置を使える
買うべき人頭金が十分にあり、借入額を抑えられる人金利上昇の影響を最小限に抑えられる
待つべき人頭金が少なく借入上限ギリギリで購入を考えている人金利1%上昇で月々数千円〜1万円増、返済が厳しくなるリスク
待つべき人「暴落を待っている」人都心部の劇的な下落は期待できない、建物の状態が良い中古物件を適正価格で購入する方が賢明
社会保険料上昇で返済計画は余裕を持たせる

2026年以降、社会保険料は段階的に増え続ける見込みです。
住宅ローンを組む際は、月々の返済額を「手取りの25%以内」に抑えることをおすすめします。
借入上限いっぱいまで借りると、将来的に返済が苦しくなるリスクが高まります。

売るべき人・保有すべき人

判定特徴理由
売るべき人築30年以上で修繕積立金が不足している物件を持っている人今後、大規模修繕の一時金徴収や配管交換の費用負担が発生、今が最後のチャンス
売るべき人地方や郊外の駅遠物件を持っている人2026年以降は価格が下がる可能性が高い
保有すべき人都心の駅近物件や建物の状態が良好な物件を持っている人資産価値が維持されやすく、焦って売る必要はない
保有すべき人住宅ローンの金利が0.5%以下の固定金利で借りている人今売却して買い直すと金利が1%前後になり、総返済額が増える

まとめ

2026年の不動産市場は、都心部は高止まり、地方は二極化が加速する見込みです。
住宅ローン減税は延長される見込みですが、社会保険料の増額で実質的な購買力は低下します。

宅建士として言えるのは、「暴落を待つ」のではなく、「適正価格で良い物件を見つける」ことが重要だということです。
そして施工管理者として言えるのは、「建物の状態を見極める」ことが何より大切だということです。

価格だけで判断せず、建物の劣化状態、修繕履歴、積立金の状況をしっかり確認してください。
2026年は、賢く動けば良い物件を手に入れるチャンスのある年になるはずです。

本記事の一部画像はAIによる自動生成(ChatGPT・DALL·E)を使用しています。著作権上問題のない範囲で掲載しています。
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