知らずに買うと損する!修繕積立金が“破綻寸前”な中古マンションの見抜き方
2025年6月28日

中古マンションの価格が安く、管理費や修繕積立金も月々1万円以内。「これはお得かも」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、安い積立金には“理由”があるのです。
購入後、「大規模修繕のために一括で30万円徴収される」といったトラブルは、今も全国で多く発生しています。安さだけに目を奪われるのは危険です。
修繕積立金とは?──“建物の寿命”を守る共同貯金
マンションの修繕積立金は、外壁塗装、防水工事、配管の更新、エレベーター整備などを将来的に行うための費用を、住民全体で積み立てていく制度です。
この積立が不十分だと、「やりたい修繕ができない」「急きょ住民から数十万円徴収」といった事態が発生します。
「積立金が安い=お得物件」は大間違い
築30年を超える物件で、月5,000〜7,000円程度の修繕積立金しか設定されていないケースもあります。
実際には、建物の劣化に見合った修繕予算が足りず、「そのうち破綻する前提」で運営されている状態も。
背景には、住民の高齢化や値上げ反対の空気があり、管理組合が段階的な積立額の引き上げをできないまま年数だけが経過してしまっているケースが多いです。
チェックすべき5つのポイント
- 長期修繕計画が最新か(過去5年以内に見直しがあるか)
- 現在の積立残高と将来の修繕予定額のバランス
- 直近10年で修繕実績がない=資金不足の兆候
- 段階的に積立額が上がる設計になっていない
- 修繕不足分を一括徴収する旨が議事録に記載されている
とくに4番の「段階値上げ」がなく、積立額が長年据え置かれているマンションでは、いずれ破綻的な値上げか、一括負担が必要になることが多いです。
住宅ローンが通っても、修繕費で生活が破綻する例も
マンション購入後の支出は、ローンだけではありません。実は、修繕積立金こそ、最大の“見落とし出費”です。
エレベーター交換・外壁全面改修・給排水管更新などが同時期に重なると、1戸あたり30万〜50万円の一括請求も珍しくありません。
「払えない住民」が出ると、修繕が先送りされ、建物の劣化→資産価値低下という悪循環に陥ります。
宅建士の説明では「足りない」情報もある
宅建士が義務として説明するのは、「現在の積立金の額」「滞納の有無」など。
しかし、長期修繕計画の内容や、住民の合意形成の実態までは説明義務に含まれていません。
購入者自身が管理組合の議事録・修繕履歴・管理規約などを取り寄せ、本当に将来も維持できる体制かを見極めることが重要です。
まとめ:「安いマンション」ほど“裏側”を疑うべき
中古マンション選びでは、価格・立地・広さといった表面的な魅力の裏に、将来的な修繕コストの“罠”が隠れていることも。
購入前には必ず、以下を確認しましょう:
- 最新の長期修繕計画があるか
- 積立残高と支出予定のバランス
- 過去の修繕実績と今後の修繕スケジュール
「買ってから気づく」前に、「買う前に見抜く」こと。ぜひ今回のチェックリストを参考にして、後悔のない選択をしてください。