ホームセンターのリフォームは失敗する?よくある後悔と業者選びの注意点

見積もりは「TOTO製ウォシュレット一式工事」のみで詳細不明。
当日来た職人さんは下請けの個人事業主で、工事中に「既存の配管が古いので交換が必要です」と言われ、結果的に12万円の追加費用が発生。
ホームセンター側は「現場判断なので当社では責任を負えません」との対応…業者に事情を説明して多少値引きがありましたが、結局泣く泣く42万円払いました。
• ホームセンターリフォームの「本当の」メリット・デメリット
• 現場で実際に見た「やってしまった」失敗事例
• 地元工務店との費用・サービスの正直な比較
• 絶対に確認すべきチェックポイント(契約前・工事中・完成後)
• 施工管理のプロが教える「こんな時はやめとけ」の判断基準
• トラブルになった時の具体的な対処法
「ホームセンターでリフォームって、どうなの?」
この質問、本当によく聞かれます。私自身も施工管理の現場で、いい現場も悪い現場も両方見てきました。
実は、私も実家のトイレリフォームで某大手ホームセンターを使って、ちょっと後悔した経験があるんです。
この記事では、施工管理として5年間、様々なホームセンター案件を見てきた経験から分かったことをお話しします。「大手だから安心」という思い込みは危険。でも、全部が悪いわけでもありません。
実家のトイレリフォームで失敗した日
あれは2年前の春、母から「トイレが古くなったから新しくしたい」と相談された時のことでした。
正直なところ、施工管理の仕事をしている私が知り合いの業者に頼めば安く済むんですが、母は「近所のホームセンターで見積もりしてもらったから」と言って、某大手ホームセンターに決めてしまっていたんです。
見積書を見せてもらったら、「TOTO製ウォシュレット一式工事 35万円」とだけ書いてある。
「これ、詳細は?」と聞いたら、「店員さんが『全部込みです』って言ってた」との返事。
嫌な予感がしたけど、母が決めてしまった以上、止めるわけにもいかなかった。
工事当日、来たのは50代くらいの職人さん一人。挨拶もそこそこに作業を始めたんですが、30分ほどして「ちょっといいですか」と呼ばれました。
「既存の配管がかなり古くて腐食してます。このままだと水漏れのリスクがあるので、配管交換をお勧めします」
いくらかかるか聞いたら、「材料費と工賃で12万円です」と。
正直、妥当な金額だと思ったけど、事前に見積もりに入っていないのがおかしい。
「現地調査の時に分からなかったんですか?」と聞いたら、「いや、僕は今日初めて来たので」との返事。
つまり、見積もりを出した人と工事をする人が全く別で、情報が共有されていなかったんです。
ホームセンターに電話したら、「現場での追加工事については、お客様と施工業者様の間で直接ご相談ください。当社では責任を負いかねます」と言われました。
結局、業者さんに事情を説明して多少値引きしてもらったけど、最終的に42万円。
当初の見積もりより7万円も高くなってしまいました。
この経験から学んだのは、**「一式○○万円」という見積もりは危険**だということ。
そして、**大手だから安心というわけではない**ということです。
なぜホームセンターでリフォームする人が増えているのか
まず、なぜこんなにホームセンターのリフォーム事業が伸びているのか、業界にいる人間として実感していることをお話しします。
ホームセンター各社のリフォーム売上、実は年々すごい勢いで伸びているようです。業界全体で年間約2,000億円規模まで成長しています。
▶ 参考:国土交通省|建設業許可の概要
実際にホームセンターを利用された知り合いやお客様の方々から聞いた理由で一番多いのが、「とにかく身近で相談しやすい」ということ。
買い物ついでに気軽に相談できるし、土日も営業していて平日忙しい人にはありがたい。
駐車場が広くて資材も一緒に見れるし、子供連れでも安心(店内にキッズスペースなど)。
商品の実物を見て決められるのも大きい。
TOTO、LIXIL、Panasonicなど有名メーカーの展示があって、実際に座ったり触ったりして確認できる。
カタログだけじゃわからない質感や色合いが分かるし、店員さんに機能の説明をその場で聞けます。
価格がわかりやすいのも魅力的に見えます。
「便器+工事費込みで○万円」みたいなパッケージ価格で、ポイント還元やキャンペーンでお得感がある。他社と比較しやすい明確な料金体系…に見えるんです。
カインズは年間約400億円のリフォーム売上があって、水回りや内装全般が得意。平均工事単価は50〜150万円くらい。
コメリは約300億円で外構・エクステリアに強く、30〜120万円の案件が多い。
DCMは約250万円で住設機器交換がメイン、20〜100万円。
コーナンは約200億円で小規模リフォームに特化していて、10〜80万円の工事が中心です。
確かに、「わかりやすさ」や「気軽さ」は大きなメリットです。
職業柄、私もいろんなホームセンターを見て回るのが好きなのですが、展示の充実度や接客レベルは年々向上していると感じます。
でも、そこに落とし穴もあるんです。
当日まで誰が来るか分からない恐怖
5年間、施工管理としてホームセンター経由の現場をたくさん見てきて、「あーあ、これは…」と思うケースも正直多いです。
どんな問題があるのか、具体的にお話しします。
経験2年目の若手が一人で来た現場
ある日、知り合いから「ホームセンターに頼んだ水回り工事、ちょっと見てくれない?」と連絡がありました。
現場に行ってみたら、20代前半くらいの若い職人さんが一人で作業していた。
話を聞いてみると、経験2年目とのこと。
水回り工事なのに、ベテランの先輩は別の現場に行っていて、彼一人で任されたらしいんです。
作業を見ていると、何度も先輩に電話で確認している。
「あの…給水管の接続、これで合ってますかね?」「パッキンの向き、どっちでしたっけ?」。見ていて不安になりました。
案の定、最初に取り付けた給水管から水が漏れて、やり直し。
結果的に予定より2日延長、仕上がりもイマイチでした。
知り合いは「初めての工事だから仕方ないか」と言っていたけど、正直なところ、お金を払っているのに「初めて」はないでしょう、と思いました。
前日に業者が変わった現場
別の現場では、前日になって「担当業者が体調不良で別の業者になります」と連絡があったケース。
事前打ち合わせが全くない状態で工事が開始されて、お客様の要望が全く伝わっていませんでした。
「この部分は白いタイルで」と伝えていたのに、職人さんは「聞いてません。ベージュしか持ってきてません」と。
結局、再発注で工期が1週間延びました。
言葉が通じなかった現場
最も困ったのは、外国人の職人さんが来て、日本語でのコミュニケーションが困難だったケース。
細かい要望や変更点が伝えられない。「分かった」と言いながら伝わっていない。
完成後に「これは頼んでない」というトラブルになりました。
ホームセンターは基本的に工事を自社でやりません。提携している下請け業者が施工するんですが、当日まで誰が来るかわからないということがほとんどです。
職人の技術レベルがバラバラで、責任の所在が不明。
現場での変更対応ができないし、アフターフォローも複雑。
たまたま私のお客様で、以前ホームセンターのリフォームをしたことがある方が数名いました。
その方々に聞いた話ですが、ホームセンターの担当者は技術的な判断ができなかったとのこと。
「職人さんが現場で判断します」というパターンが多かったようです
。一概には言えませんが、現場経験があるスタッフや、経験がなくとも知識のあるスタッフが配属されているとは限りません。
「一式35万円」に隠された不透明さ
ホームセンターの見積書って、実家のトイレの時もそうでしたが、「トイレリフォーム一式 35万円」みたいな感じのことが多いんです。
一見わかりやすそうですが、実は中身が全然見えない。
材料費の詳細はどうなっているのか、工事費の内訳は? 諸費用には何が含まれているのか?工期・工程表は?
ホームセンターの見積書だと、商品代だけは分かるけど、工事費は「一式」のみ。
諸費用は何が含まれるか不明で、工期も「○日間」程度しか書いていません。
地元工務店なら、詳細まで記載してくれます。
工程ごとに分離されていて、交通費や副資材など、ある程度項目ごとに明記。詳細スケジュールもあります。
大手リフォーム会社でも、カタログ価格が記載されていて、大まかな項目はあります。
工程管理表や施工計画もあります。
実家のトイレで実際にあった「え? これ別料金なの?」というのが、既存便器の撤去費用2万円、床の補修費用3万円、廃材処理費1.5万円、配管の延長工事4万円、電気工事(コンセント増設)2万円。
合計で12.5万円の追加!
最初の35万円が結局47.5万円になってしまいました。
現場で見た手抜き工事の実例
正直、これはショックでした。品質管理がしっかりしていない現場を何度か見たことがあります。
某ホームセンター案件で、クロス張替えの手抜きを見たことがあります。下地の穴埋めを本来なら「パテ盛り→乾燥→サンディング→再度パテ→乾燥」の5工程でやるべきところを、「速乾パテ1回」だけで済ませた職人がいました。
確かに工期は1日短縮できます。
でも3ヶ月後にそこだけパテが浮き上がって、クロスがボコボコになってしまいました。
お客様から連絡があって見に行ったんですが、ホームセンターに連絡しても「担当業者と連絡が取れません」との返事。
結局、別の業者を手配してやり直すことになりました。
水道工事の手抜きも見たことがあります。
給水管の接続で、本来なら「シールテープ+配管用シール材」を使うべきところを、シールテープだけで施工していた。
半年後に微量の水漏れが発生し、結局床材まで張り替えることに(追加費用18万円)。しかもその時には担当業者と連絡が取れなくなっていました。
▶ 参考:国土交通省|建設業の適正な施工確保
アフターサービスの「たらい回し」地獄
これも本当によくある話。工事後に問題が起きた時の対応が…正直、ひどいです。
ある日、実家から電話がかかってきました。「トイレの水が止まらない!」
すぐにホームセンターに電話したら、「施工業者に確認します。折り返しご連絡します」との返事。
1時間待っても連絡がない。再度電話したら、「業者に連絡していますが、繋がらないんです」と。
結局、施工業者から連絡があったのは翌日。
「ホームセンター経由でないと対応できません」と言われました。
ホームセンターに再度連絡したら、「業者が忙しくて来週になります」との返事。
「え…今すぐ止めたいのに…」。結局、知り合いの水道屋さんに頼んで止めてもらいました。
でも後日、ホームセンターから「第三者が修理したので、保証が適用できません」と言われたんです。
緊急時の対応が遅れて被害が拡大するし、クラシアンなどに連絡して止めてもらったら保証が受けられなくて、無駄な出費となる。
保証期間も、ホームセンターは1〜2年(商品保証のみ)。地元工務店なら3〜5年(工事保証込み)。専門リフォーム会社なら5〜10年(包括保証)です。
連絡してから対応までも、ホームセンターは3〜7日かかるのに対し、地元工務店は当日〜2日、専門リフォーム会社は1〜3日。
連絡先の分かりやすさも、ホームセンターは複数の窓口があって分かりにくい。
地元工務店は直通で簡単。
専門リフォーム会社は専用窓口があります。
現場対応力も、ホームセンターは業者次第でバラバラ。
地元工務店は即座に判断してくれるし、専門リフォーム会社は専門スタッフが対応してくれます。
ホームセンターリフォーム、お金の話の真実
「ホームセンターって安いんでしょ?」よく聞かれますが、実はそう単純でもないんです。
ホームセンターのリフォーム価格の構造を知ると、なぜ品質にバラつきがあるのか分かります。
お客様が100万円払っても、実際の工事に使われるのは65〜70万円程度。残りの30〜35万円は中間マージンなんです。
内訳を見ると、商品代金が40〜50%。これは住設機器・材料の原価。ホームセンターの取り分が15〜25%で、仲介手数料・店舗運営費・利益として取られます。
元請け業者の取り分が10〜15%。工事管理費・業者の利益です。
そして実際の施工費が20〜35%。職人の人件費・材料費・諸経費に使われるのは、これだけなんです。
▶ 参考:国土交通省|建設業法
某大手ホームセンターの下請け業者をやっている職人さんから聞いた話では、「利益率5〜10%で受注する上に、副資材は自腹」とのこと。
「丁寧にやりたくても、正直採算が合わない」というのが現場の本音。
請け負っていないけど取り合い部分の不具合があった時に、ちょっとしたサービスで直してあげる、という細かい対応をしてあげられないと話していました。
材料費40〜50万円、残り15〜25万円は店舗の取り分。
実質的には「70万円の工事を100万円で買ってる」状態なんですね。
これを知ると、品質に差が出るのも納得できます。
「想定外の追加費用」が発生しやすい理由
ホームセンター案件で特に多いのが、工事当日の追加費用。
実家のトイレもそうでした。
よくあるのは、既存設備の撤去費用(見積時に見落とし)、配管・電気工事の追加(現場調査不足)、産業廃棄物処理費(別途計算となる場合あり)、床・壁の補修費(既存の傷み発見)、駐車場代・出張費(地域により加算)。
事前の現地調査が不十分だと、こういう「想定外」が起きやすいんです。
地元工務店なら事前調査で気づくことも、ホームセンターの場合は「パッケージ料金」を前面に出すため、細かいチェックが甘くなりがち。
後悔しないための「これだけは確認」チェックリスト
現場経験から、「これを確認しておけばトラブルは避けられた」というポイントをまとめました。
契約前に絶対確認すべきことがあります。
実際に工事する業者の会社名・連絡先を教えてもらうこと。
可能なら事前に職人さんと顔合わせをすること。
見積書で材料費・工事費・諸費用の内訳を確認すること。
追加費用が発生する条件を具体的に聞くこと。
保証の内容と期間、連絡先を文書でもらうこと。
アフターサービスの連絡フローを確認すること。
工事スケジュールと各工程の内容を確認すること。
近隣への配慮事項について相談すること。
特に重要な3つのポイント
まず、「誰が工事するか」を必ず確認してください。
「当日来る職人さんと事前に話したい」。この一言で、ホームセンターの対応がガラッと変わります。きちんとした会社なら調整してくれますが、難色を示す場合は要注意。
次に、見積書の「一式」は詳細を求めること。
「リフォーム一式35万円」ではなく、商品代○○万円(TOTO製○○型)、工事費○○万円(取り付け・配管・電気工事)、処分費○○万円(既存便器・床材等)、諸経費○○万円(養生・清掃・管理費)。ここまで分けてもらいましょう。
そして、保証内容を書面で確認すること。
口約束ではなく、必ず書面で。工事保証の期間と範囲、商品保証の期間と範囲、不具合時の連絡先と対応フロー、定期点検の有無を確認してください。
繁忙期は特に要注意
3月・9月などの引っ越し繁忙期は、ホームセンター案件も急増します。
この時期の職人さんは「とにかく件数をこなす」ことが優先されて、1件あたりの時間が短縮されがち。
私の経験では、通常2日かかるトイレ交換を「1日で強引に完了」させようとして、給水管の接続不良を起こした事例もありました。
急がない工事なら、繁忙期を避けるのも一つの手です。
• 事前の現地調査を時間をかけて実施
• 質問に対して具体的で明確な回答
• 過去の施工実績を写真付きで見せてくれる
• 保証内容を文書で明確に提示
• 近隣への配慮について具体的に説明してくれる
地元工務店と比較してみた正直な話
「じゃあ地元の工務店の方がいいの?」これもよく聞かれる質問です。
正直にお答えすると、どちらにもメリット・デメリットがあります。
価格の分かりやすさは、ホームセンターの方が上。パッケージ価格で分かりやすい。
地元工務店は詳細だけど複雑。施工技術・品質は、地元工務店の方が安定しています。
ホームセンターは業者による差が大きい。
相談しやすさは、ホームセンターが気軽で営業時間も長い。
地元工務店は地域・時間が限定される。でも、コミュニケーションは地元工務店の方が直接やりとりできて良い。
ホームセンターは間に人が入るので面倒。
アフターフォローは、地元工務店がすぐ駆けつけてくれます。ホームセンターは複雑な連絡経路で時間がかかる。
商品の選択肢は、ホームセンターの展示が豊富。
地元工務店は限定的。工期の融通は、地元工務店が相談で調整可能。
ホームセンターは画一的なスケジュール。
長期的な関係は、地元工務店が継続的なお付き合いができます。
ホームセンターは担当がコロコロ変わります。
費用比較の実例
実際に同じシステムキッチン交換200万円の工事内容で比較したことがあります。
商品代は、ホームセンターが100万円に対し、地元工務店は90万円(業者割引が大きい)。10万円の差。施工費は、ホームセンターが60万円、地元工務店が80万円。20万円高い。諸経費・管理費は、ホームセンターが40万円、地元工務店が30万円。10万円安い。
総額はどちらも200万円で同じでした。でも工事保証は、ホームセンターが1年、地元工務店が5年。4年の差があります。アフター対応も、ホームセンターが1週間程度かかるのに対し、地元工務店は当日〜翌日。この差は大きい。
総額はそれほど変わらないケースも多いです。でも保証期間とアフター対応には大きな差があるんです。
工事の種類別「ホームセンター適性度」
すべての工事がホームセンターに向いてないわけじゃありません。工事の種類によって使い分けるのが賢いやり方。
適している工事は、標準的な住設機器交換です。
トイレ・洗面台・給湯器の交換で、既存と同規模・同機能への交換なら問題ない。
配管工事が最小限で済む工事もOK。
内装の張替え工事も、クロス張り替え・フローリング交換で、標準的な材料・工法での工事なら大丈夫。
特殊技術が不要な範囲に限ります。
小規模な水回り工事として、水栓・シャワーヘッドの交換、洗面ボウルの交換、簡単な配管修理なら向いています。
注意が必要な工事は、大型設備のリフォーム。システムキッチン・ユニットバスの交換は慎重に。
配管工事が複雑になる工事、電気工事を伴う大規模工事は要注意です。
間取り変更を伴う工事として、壁の撤去・新設、ドア・窓の位置変更、構造に影響する可能性がある工事も気をつけてください。
避けた方が良い工事は、外装・構造系工事。外壁・屋根工事(高度な技術と長期保証必要)、基礎・構造補強工事、防水・断熱などの専門工事は、ホームセンターではなく専門業者に頼むべきです。
全面リフォームとして、複数箇所の同時工事、工程管理が複雑な工事、長期間にわたる工事も避けましょう。
あくまで私の経験上ですが、50万円以下の小規模工事なら、ホームセンターも選択肢の一つ。満足度は85%くらい。
主なリスクはアフターフォロー不足程度。
50〜150万円の中規模工事になると、満足度は70%に下がります。工程管理・品質のばらつきが出てきます。
150万円以上の大規模工事だと、満足度は55%。技術力・責任所在の不明確さが問題になります。
▶ 参考:国土交通省|建設工事の適正な施工の確保
トラブルになった時の「現実的な」対処法
万が一トラブルになった場合の対処法も、現場経験からお話しします。
まず直接交渉から始めます。
ホームセンターの担当窓口に連絡して、具体的な不具合を写真付きで報告。
いつまでに回答が欲しいかを明確に伝え、やり取りは記録に残します(メール・書面)。
現地確認を求めて、「実際に見に来てください」と伝える。できれば施工した職人も一緒に来てもらい、第三者(近所の工務店等)の意見も聞きましょう。
それでも解決しなければ、書面での要求に移ります。
内容証明郵便で改善要求を出します。契約書・見積書を確認して主張を明確にし、具体的な改善内容と期限を設定。
対応しない場合の次の手順も記載します。
さらに解決しない場合は、第三者機関を活用します。地域の消費生活センター(局番なし188)、住宅リフォーム・紛争処理支援センター、建築関連の専門機関に相談してください。
▶ 参考:国民生活センター
▶ 参考:住宅リフォーム・紛争処理支援センター
最終的には、法的手続きの検討も視野に入れます。
少額訴訟の検討(60万円以下の場合)、弁護士への相談、裁判外紛争解決手続き(ADR)などがあります。
実際のトラブル解決事例
トイレ工事後1週間で水漏れが発生したけど、連絡しても1週間放置されたケースがありました。
写真を撮って内容証明郵便で改善要求を出したところ、床材張り替えまで含めて費用負担で解決しました。
約3週間かかりましたが、なんとか解決できました。
別のケースでは、「追い焚き機能付き」のはずの給湯器が機能しませんでした。
消費生活センター経由で調停を行い、機器交換+工事費全額返金で解決。約2ヶ月かかりました。
▶ 参考:消費者庁|消費者トラブル情報
• 契約前に必ず複数社で比較検討
• 口約束は避け、すべて書面で確認
• 工事中も写真記録を残しておく
• 不明な点は遠慮なく質問する
• 完成検査は時間をかけて丁寧に
まとめ:ホームセンターリフォーム、使うなら「賢く」使おう
いろんなホームセンター案件を見てきて思うのは、「全部ダメ」でも「全部良い」でもないということ。
使い方次第では、とても便利で満足度の高いリフォームができるのも事実です。
私なりの使い分け基準をお伝えします。
ホームセンターを選ぶ場合は、50万円以下の小規模工事、標準的な住設機器の交換、急ぎではない工事、商品選びから相談したい場合、アフターフォローにそれほど期待しない場合に限定すべきです。
地元工務店を選ぶ場合は、100万円以上の中〜大規模工事、技術的に複雑な工事、長期保証・アフターフォローを重視する場合、継続的な付き合いを希望する場合、カスタマイズが多い工事の時です。
最も大切なのは、どちらを選ぶにしても事前の確認です。
「知ってる会社だから安心」で決めず、実際に工事する人・保証内容・見積もりの中身をしっかりチェックすることが成功の鍵。
私も実家のトイレで失敗した経験がありますが、その後は必ず複数社で比較検討するようになりました。
面倒に感じるかもしれませんが、後悔するより100倍マシです。
重要なのは「ホームセンターか工務店か」という選択ではなく、「自分の工事内容と要求に最も適した業者を選ぶ」こと。
小規模で標準的な工事なら、ホームセンターの利便性を上手に活用する。
複雑な工事や長期的な関係を重視するなら、地元の専門業者を選ぶ。
そんな使い分けが一番賢いやり方だと思います。
建設業法では工事規模に関わらず、適正な施工が義務付けられています。
手抜き工事は明確な契約違反。泣き寝入りする必要はありません。
おかしいと感じたら、遠慮なく改善を求めましょう。
▶ 参考:e-Gov法令検索|建設業法
どちらを選ぶにしても、契約前の比較検討と詳細確認が、満足いくリフォームの第一歩です。「安さ」や「手軽さ」も大切ですが、「安心」と「満足」を得られる業者選びを心がけてください。きっと、後悔しないリフォームができるはずです。