ホームセンターのリフォームは失敗する?よくある後悔と業者選びの注意点

「ホームセンターでリフォームを頼んで失敗した」という声、実は少なくありません。手軽に依頼できる一方で、「誰が施工するのか分からない」「アフター対応が曖昧」「価格の内訳が見えない」といった問題が背景にあります。

「手軽そう」「価格がわかりやすい」と、ホームセンターのリフォーム窓口に相談する人は少なくありません。私自身も改修工事施工管理として、ホームセンター経由の工事現場を数多く見てきましたが、満足度の高いケースもあれば、トラブルが多発するケースもあるというのが実情です。

この記事でわかること
• ホームセンターリフォームの実態とメリット・デメリット
• よくあるトラブル事例と具体的な対処法
• 地元工務店との費用・サービス比較データ
• 後悔しないための業者選定チェックポイント
• 施工管理のプロが教える賢い発注方法

本記事では、施工管理の視点から、ホームセンターのリフォームで起こりがちなトラブルとその回避方法を、実際の現場データと具体的な事例を交えて詳しく解説いたします。価格や知名度だけで決める前に、ぜひご一読ください。

ぱんたロイド
大手だから安心…とは限らないよ!でも全部が悪いってわけでもないから、判断ポイントを知っておこう。

ホームセンターリフォーム市場の現状と成長背景

近年、ホームセンターのリフォーム事業は急速に拡大しています。業界調査によると、ホームセンター大手各社のリフォーム売上は年々増加傾向にあり、市場全体でも年間約2,000億円規模に達しています。

ホームセンターでリフォームを頼む人が増えている理由

利便性・アクセシビリティ:

  • 店舗が近くにあり、気軽に相談できる
  • 土日祝日も営業している店舗が多い
  • 買い物ついでに相談できる手軽さ
  • 駐車場が広く、商品確認がしやすい

商品・価格の透明性:

  • 製品ラインナップが豊富(TOTO、LIXIL、Panasonicなど)
  • パッケージ価格が明示されていて比較しやすい
  • ポイント還元やキャンペーンの実施
  • 商品を実際に見て触れる展示場

ブランドへの信頼感:

  • 知名度の高い企業による安心感
  • 全国展開による統一されたサービス
  • 企業規模による信用力

ホームセンターリフォームの市場シェア

主要ホームセンター リフォーム売上高 得意分野 平均工事価格
カインズ 約400億円 水回り・内装 50〜150万円
コメリ 約300億円 外構・エクステリア 30〜120万円
DCM 約250億円 住設機器交換 20〜100万円
コーナン 約200億円 小規模リフォーム 10〜80万円

このように、「わかりやすさ」や「安心感」を理由にホームセンターを選ぶ人は少なくありません。

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小規模なリフォームなら、予算やスピード重視でホームセンターを選ぶのもアリ。

ホームセンターのリフォーム、実はこんな落とし穴が

施工管理として多くのホームセンター経由の現場を見てきた経験から、典型的なトラブルパターンをご紹介します。

失敗例1:下請け任せで誰が来るかわからない

ホームセンターは、実際の施工を自社で行っていないことがほとんど。提携している下請け業者が工事を請け負うため、誰が施工に来るのかは当日まで不明ということもあります。

実際のトラブル事例:

  • 事例A:経験の浅い職人が派遣され、施工品質が低い
  • 事例B:当日に別の業者に変更、事前打ち合わせが無効に
  • 事例C:現場で疑問があっても職人が答えられない

さらに、現場で疑問や不安があっても「窓口は別会社」なため、連絡がスムーズにいかないというトラブルも頻発しています。

下請け構造による問題の詳細分析

問題点 発生頻度 主な原因 対処の困難さ
施工業者の技術レベルが不明 事前確認不足 ★★★★☆
責任の所在が曖昧 多重下請け構造 ★★★★★
現場での変更対応困難 権限移譲不足 ★★★☆☆
アフターフォロー体制不備 業者とHCの連携不足 ★★★★☆

失敗例2:「一式見積もり」で中身が不透明

見積書が「リフォーム工事一式 ¥○○円」とだけ記載され、内訳の説明がないまま契約になるケースもあります。

「材料費はいくら?」「どんな職人が来るの?」といった情報が曖昧だと、施工後のトラブルにもつながります。

見積書の透明性比較

見積書タイプ ホームセンター 地元工務店 大手リフォーム会社
材料費明記 △(商品代のみ) ○(詳細あり) ○(カタログ記載)
工事費内訳 ×(一式表示) ○(工程別) △(大項目のみ)
諸費用の詳細 ×(不明確) ○(明記) △(一部明記)
工期・工程 △(大まかな日程) ○(詳細工程表) ○(工程管理)
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小規模の工事だと、「職人さんの施工費・交通費・諸経費」「材料代・器具代」「器具搬入」「産廃処分」程度。どれも大規模な工事の単価にしたら金額が少なく、職人の人件費が賄えないから『一式』という表記になります。それ自体は普通のこと。トラブルの例としては、10㎡床を張り替えたかったのに8㎡しか張り替えてない、よくよく見たら見積にちゃんと書かれていない、といったこと。『一式』だけど小明細や備考欄、別の資料などに表記してあると安心だよね。

失敗例3:アフターサービスが手薄

「不具合が出たのに連絡がつかない」「担当がコロコロ変わる」といったトラブルもあります。

具体的なアフターサービス問題:

  • 保証書の発行なし:小規模工事では保証対象外
  • 連絡先の複雑さ:HC→協力業者→実際の施工業者
  • 対応速度の遅さ:窓口が多重化による遅延
  • 責任範囲の不明確さ:どこまでが保証対象か曖昧

アフターサービス体制の比較

サービス内容 ホームセンター 地元工務店 専門リフォーム会社
保証期間 1〜2年(商品のみ) 3〜5年(工事込み) 5〜10年(包括保証)
対応速度 3〜7日 当日〜2日 1〜3日
連絡先一元化 ×
現場対応力

小規模リフォームでは保証書が発行されないケースもあるため、事前に「保証の範囲・連絡先」は必ず確認しておきましょう。


ホームセンターリフォームの隠れたコスト

価格構造の実態

ホームセンターのリフォーム価格には、以下のような構造があります:

費用項目 割合 内容
商品代金 40〜50% 住設機器・材料費
HC利益 15〜25% 仲介手数料・管理費
協力会社利益 10〜15% 元請け業者の利益
実際の施工費 20〜35% 職人の人件費・諸経費

この構造により、実際の施工に充てられる費用は全体の20〜35%程度となり、品質確保が困難になる場合があります。

追加費用が発生しやすいケース

よくある追加費用項目:

  • 既存設備の撤去費用:見積時に含まれていない
  • 配管・電気工事の追加:現場確認不足による
  • 産業廃棄物処理費:別途請求される場合
  • 養生・清掃費:基本工事に含まれない
  • 出張費・駐車場代:地域によって加算

後悔しないためのチェックポイント

施工管理の経験から、トラブルを避けるための重要なチェックポイントをまとめました。

契約前の必須確認事項
□ 施工する業者の顔が見えるか(事前に会えるか)
□ 見積書の明細に材料・工賃・諸費用が分かれているか
□ 保証の有無や範囲が明確になっているか
□ 追加費用が発生する条件を確認したか
□ アフターサービスの連絡先が明確か
□ 工事スケジュールと工程が具体的に提示されているか
□ 近隣への配慮事項が説明されているか

詳細なチェック項目

業者・施工体制の確認:

  • 実際の施工業者名と連絡先
  • 職人の資格・経験年数
  • 過去の施工実績・写真
  • 建設業許可証の確認

見積書・契約内容の確認:

  • 材料のメーカー・品番・グレード
  • 工事範囲の詳細図面
  • 追加工事の条件・単価
  • 工期延長時の対応

保証・アフター体制の確認:

  • 保証書の発行有無
  • 保証期間・対象範囲
  • 不具合時の対応フロー
  • 定期点検の有無

ひとつでも曖昧なら、即決せずに他社との比較をおすすめします。

安心できる業者の特徴:
• 事前の現地調査を丁寧に実施
• 質問に対して具体的で明確な回答
• 過去の施工実績を積極的に提示
• 保証内容を文書で明確に提示
• 近隣への配慮について具体的説明

▶ 参考:国民生活センター|リフォームトラブルQ&A


地元工務店とホームセンター、どう違う?

地元密着型の工務店では、担当者が職人兼営業というケースもあり、コミュニケーションがスムーズです。

総合比較:ホームセンターvs地元工務店

比較項目 ホームセンター 地元工務店 重要度
価格の透明性 △(パッケージ価格) ○(詳細見積) ★★★★☆
施工技術レベル △(業者により差大) ○(一定水準以上) ★★★★★
コミュニケーション ×(多重構造) ○(直接対話) ★★★★☆
アフターフォロー △(体制複雑) ○(迅速対応) ★★★★★
商品選択肢 ○(豊富) △(限定的) ★★★☆☆
相談しやすさ ○(店舗多数) △(地域限定) ★★★☆☆
工期の柔軟性 ×(画一的) ○(相談可能) ★★★☆☆
トータルコスト △(中間費用あり) ○(直接価格) ★★★★☆

費用面での詳細比較

同じ工事内容(システムキッチン交換:200万円)の場合:

費用項目 ホームセンター 地元工務店 差額
商品代 100万円 90万円(割引率高) -10万円
施工費 60万円 80万円 +20万円
諸経費 40万円 30万円 -10万円
総額 200万円 200万円 ±0万円
保証期間 1年 5年 4年差

「現場をよく知る人と直接話せる」「アフターフォローも融通がきく」など、ホームセンターにはない安心感を求めるなら、地域業者との比較も重要です。

ぱんたロイド ChatGPT使用中
ホームセンター側が利益を乗っけているだけで、結局は地元の工務店が施工しているってこともある。ホームセンターを経由していない分、工務店はお客様と直接取引だからって通常の施工金額より多めに金額を入れてることだってある。でもその分フォローがしっかりしていたりする。比較しないと気づけないことって多いんだよね。地元工務店の話も聞いてみると、結構参考になるよ!

工事内容別:ホームセンターリフォームの適性評価

推奨度別工事分類

適している工事(推奨度:★★★★☆)

  • 標準的な住設機器交換:トイレ・洗面台・給湯器など
  • 内装工事:クロス張り替え・フローリング交換
  • 小規模な水回り工事:蛇口交換・シャワー設置など

注意が必要な工事(推奨度:★★☆☆☆)

  • キッチン・バス等の大型リフォーム:配管工事が複雑
  • 電気工事を伴う工事:専門的知識が必要
  • 構造に関わる工事:壁撤去・開口部変更など

避けるべき工事(推奨度:★☆☆☆☆)

  • 外壁・屋根工事:高度な技術と長期保証が必要
  • 全面リフォーム:工程管理の複雑さ
  • 特殊工法が必要な工事:耐震・断熱改修など

工事規模別の成功確率

工事規模 工事費用 成功確率 主なリスク
小規模 〜50万円 85% アフターフォロー不足
中規模 50〜150万円 70% 工程管理・品質のばらつき
大規模 150万円〜 55% 施工技術・責任所在の不明確

トラブル発生時の対処法

段階別対処フロー

第1段階:直接交渉

  1. ホームセンターの担当窓口に連絡
  2. 具体的な不具合内容を写真付きで報告
  3. 対応期限を設定して回答を求める

第2段階:書面での要求

  1. 内容証明郵便での改善要求
  2. 契約書・保証書の確認と主張
  3. 第三者機関への相談検討

第3段階:公的機関の活用

  1. 消費生活センターへの相談
  2. 住宅リフォーム・紛争処理支援センター活用
  3. 法的手続きの検討
トラブル回避のポイント:
• 契約前に必ず複数社で比較検討
• 口約束ではなく、すべて書面で確認
• 工事中の写真記録を残す
• 不明な点は遠慮なく質問する

まとめ:価格だけで決めず、総合的な判断が重要

ホームセンターのリフォームがすべて悪いわけではありません。製品の信頼性や手軽さ、パッケージ価格の分かりやすさというメリットもあります。

ただし、「誰がやるか」「どこまで保証されるか」「責任の所在はどこか」といった大切な部分が見えづらいのも事実です。

ホームセンターリフォーム成功のポイント
□ 小規模・標準的な工事に限定して利用
□ 事前に実際の施工業者と面談を実施
□ 見積書の詳細内容を必ず確認
□ 保証内容・連絡先を文書で確認
□ 地元工務店との比較検討を必ず実施
□ 工事中の写真記録を残す
□ アフターフォロー体制を事前確認

最終的な選択基準:

  • 工事の複雑さ:単純な工事ならホームセンターも選択肢
  • 予算と品質のバランス:コストパフォーマンスを重視
  • アフターフォローの重要性:長期的な関係性を考慮
  • 地域密着性の価値:継続的なメンテナンス関係

「知っている会社だから安心」という気持ちだけで即決せず、施工体制・担当者・見積の中身・保証内容をしっかり確認してから契約することをおすすめします。

重要なのは、ホームセンターか地元工務店かという選択ではなく、「自分の工事内容と要求に最も適した業者を選ぶ」ことです。小規模で標準的な工事であればホームセンターの利便性を活用し、複雑な工事や長期的な関係性を重視する場合は地元の専門業者を選ぶという使い分けが賢明です。

どちらを選ぶにせよ、契約前の比較検討と詳細確認が、リフォーム成功の鍵となります。「安さ」や「手軽さ」だけでなく、「安心」と「満足」を得られる業者選びを心がけましょう。


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執筆者・監修者
🏢 改修工事施工管理(5年以上の実務経験)
📋 宅地建物取引士(実務経験あり)
💻 Webサイト制作・運用(独学)
東京都内でマンションや商業施設の改修工事の施工管理を担当。現場での豊富な経験を活かし、施工業者の選び方や修繕計画の読み解き方など、一般の方にもわかりやすく解説。宅建士としての不動産知識と現場経験を組み合わせた実践的な情報を発信中。

※本記事の一部画像はAIによる自動生成(ChatGPT・DALL·E)を使用しています。著作権上問題のない範囲で掲載しています。